クライアントワークやイラスト素材販売などのマネタイズ方法以外に、イラストNFTという新たなマネタイズ手法に取り組んでみませんか?
プロのイラストレーターはもちろん、趣味でイラスト制作をしてる方までイラストNFTの世界で活躍する可能性を秘めています。
イラストNFTとは
イラストNFTとは、イラストの画像データをNFT化したものです。
- イラストNFTとは、制作したイラストデータをNFT化したもの
- NFTとは、デジタルデータに唯一無二の固有のIDを付与したもの
- NFT化したイラストは、いわゆる「一点物」となり固有の資産となる。
そもそもNFTとは、「Non-Fungible Token(ノンーファンジブル・トークン)」、日本語で「非代替性トークン」と言います。
その最大の性質は名前にもある通り、「非代替性」であり、つまり他に変わりがない唯一無二のデータであるということです。
従来、デジタルデータは容易に改ざんができ、他のストレージに移行させるときもそれは複製、つまりコピーで送るというものなのですが、NFT化したデジタルデータは唯一無二のデータになります。デジタルデータは容易に改ざんや複製(コピー)が可能であったことから、今までは資産としての価値は認められなかった経緯がありますが、NFT化されたデジタルデータが唯一無二の資産としての価値を有すると、一気に投資、投機の対象になり、NFTを資産として保有することに価値を感じた人々によって注目が高まってきました。
イラストNFTは、イラストデータにトークンIDという一意のIDを付与し、いわゆる「一点物」となり固有の資産となります。
イラスト自体は、通常のイラストの作り方で大丈夫です。
illustrator・Photoshop・Clip Studio Paintなどのイラスト制作ソフトで制作したイラストをjpgやpng形式で書き出ししたイラストを、後述するNFTマーケットプレイスというサイトにアップロードすればNFT化することができます。
NFTによって固有のIDを付与し、取引履歴が改ざん困難な方法で保有できることによって、デジタルデータである画像データにも固有の価値を見出すことが出来るようになりました。
イラストNFTは売れているのか?
早速ですが、デジタルデータであるイラストNFTが実際のどれくらい売れているのかを確認してみましょう。
イラストNFTは「NFTマーケットプレイス」というサイトで出品されています。
NFTマーケットプレイスについて、さらに知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
イラストNFTの出品事例を取り上げますが、主に著名な漫画家・アーティストの事例になります。
イラストNFT:販売事例
東村アキコ
『東京タラレバ娘』『海月姫』などで知られる現代アート作家/漫画家・東村アキコ氏。
2022年11月にNFTアート作品群『NEO美人画2022』を発表しました。
さらに作品の発表に合わせて、リアル世界でもNFT作品を鑑賞できる東村アキコNFT「NEO美人画2022」展を開催。
40作品を出品し各作品10点限定で販売、1点をオークション形式、残り9点を定額販売で出品されました。
国内のNFTマーケットプレイス「Adam by GMO」にて出品され、その合計取引金額は850万円を超えました。
東村アキコ氏は現代アート作品の制作に、イラスト・マンガ制作ソフト「MediBang Paint」を使用されています。
イラスト制作の技術があれば、わずか月額300円のイラストソフトで制作ができ、わずかな制作予算で出品、販売まで可能です。
東風孝広
人気漫画「カバチタレ!」「極悪がんぼ」の作画を担当した漫画家の東風孝広氏。
東風氏は、NFTマーケットプレイス「OpenSea」にて自身の描き下ろしオリジナルNFTを出品しています。
4種類のNFTコレクションがあり、合計27作品を出品。
NFTコレクション「TakahiroKochi_Character_Collection」では8作品の人物イラストが出品されており、1ETHを売り上げています。
ひらこ
淡いタッチで女性を描くイラストレーター・ひらこ氏。
2023年3月に、初のNFT作品をNFTマーケットプレイス「OpenSea」で出品されました。
日本文化継承NFTプロジェクト「狼煙」のプロジェクトの一環として出品され、NFTコレクション「REI PFPs COLLECTION」というコレクション名で限定販売されています。
20作品が掲載されており、0.15ETHで販売されています。
伊藤潤二
日本を代表するホラー漫画家である伊藤潤二氏。
2023年1月にNetflixで世界独占配信されるアニメ「伊藤潤二『マニアック』」を記念したプロジェクト「TOMIE by Junji Ito」として企画され、伊藤潤二氏の初公式NFTの販売となります。
マンガ原稿を元にしたジェネレーティブアートであり、2222枚が即日完売したという盛況ぶりでした。
売上額は138ETHで2023年4月時点で約2300万円を超えます。
現在、NFTマーケットプレイス「OpenSea」で販売されており、販売総額が363ETHであり約9000円を超える額となっています。
国内の様々なイラストNFTを出品するクリエイターたち
著名なクリエイターを中心に紹介しましたが、他にも数多くのイラストレーターやグラフィックデザイナー、漫画家、アーティストが様々な作品をNFTとして出品されています。
どういった人達がどんなイラストを売っているか、一度覗いてみることをおススメします。
こちらのサイトでは83名のNFT作品に取り組んでいる国内アーティストを一覧で見ることができます。
赤丸の船のマークをクリックすれば、OpenSeaというマーケットプレイスを閲覧することができます。
イラストNFTを販売する時の注意点
イラストの著作権に注意
当然ながらイラストを描く際の、トレパクなどのパクリ問題はイラストNFTでも問題になりますので、著作権侵害にならないイラストをNFTとして出品する必要があります。
特にアニメ作品のキャラクターや商品画像を許可なく利用したNFTが販売された例もあり、中には訴訟にまで発展しているケースもありますので充分に注意が必要です。
イラストNFTを販売して得た利益に対する税金に注意
イラストNFTを販売した場合、一定以上の利益からは確定申告し、納税をする必要があります。
イラストNFTを制作・販売して得た利益については、「譲渡所得」または「雑所得」に当たり、年間の利益が20万円を超える場合、確定申告をする必要があります。
また経費としてイラストNFT販売する際にかかる手数料は経費として扱えますが、撮影・編集する際に使用するソフトウェアは経費として認められない可能性が高いようです。
詳しくはこちらのサイトで税理士監修のもと解説されていますので、興味がある方は一度ご覧ください。
イラストNFTを売るにはどうすればいいか?
描いたイラストをNFT化して販売するには、以下の手順で行いましょう。
- コインチェックにアカウントと口座を開設し、イーサリアムを購入する
- MetaMaskウォレットを作成し、イーサリアムを送金する
- OpenSeaにMetaMaskウォレットを接続する
- イラストをOpenSeaにアップロードして出品する
コインチェックにアカウントと口座を開設し、イーサリアムを購入する
イラストNFTを販売するには、イーサリアムという暗号資産(仮想通貨)が持っている必要があります。
理由は、出品する際にガス代と呼ばれる手数料をイーサリアムで支払わなければいけないからです。
そのため、まず暗号資産(仮想通貨)取引所のアカウントと口座を開設し、イーサリアムを購入します。
コインチェックなら最短5分で口座開設申し込みができ、カンタンに日本円を入金できるのでおススメです。
口座が開設できたら、日本円を口座に入金し、日本円でイーサリアムを購入します。
MetaMaskウォレットを作成し、イーサリアムを送金する
イーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)を購入したら、ウォレットという専用の財布を作りましょう。
ウォレットは暗号資産(仮想通貨)の保管、送金、着金、残高確認以外にもNFTコンテンツの保管にも使用されます。
ウォレットには様々な種類がありますが、NFTの世界では『MetaMask』というウォレットを使用するのが一般的です。
PCの場合は、GoogleChromeの拡張機能からインストールできます。
スマホの場合は、MetaMaskアプリをインストールします。
ウォレットについて、もっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
OpenSeaにMetaMaskウォレットを接続する
イラストNFTを販売するには販売する場所が必要です。
それがNFTマーケットプレイスと呼ばれるプラットフォームになります。
NFTの世界で最も有名で理由者が多いマーケットプレイスが「OpenSea」です。
日本にもマーケットプレイスはありますが、イラストNFTなどのNFTアート系はやはり海外の方がはるかに需要があります。
公式サイトで「OpenSea」にアクセスし、MetaMaskを接続してからイーサリアムを使用できるようにしましょう。
MetaMaskの接続は無料でカンタンに行えます。
イラストNFTをOpenSeaにアップロードしてNFT化し出品する
ここまで来たらあとは、OpenSeaにイラストデータをアップロードすれば出品できます。
アップロードする際には、以下の拡張子とファイルサイズに注意してください。
- JPG
- PNG
- GIF
- SVG
無効なファイル形式でイラストを用意すると後々修正が必要になります。
ファイルのサイズは最大で100Mbですのでサイズにも注意してください。
NFTマーケットプレイスにイラストをアップロードすれば固有のトークンIDが付与され、イラストをNFT化することができます。
稼げるイラストNFTの売り方=最重要
残念ながら手持ちのイラストをNFTにして販売しても売れません。
そのイラストがいくら良いと思うものでも、単に出品しただけではほとんど売れることは無いでしょう。
ビジネスの世界では、「良いものを作ったら、ほっといても売れていく」ということは完全に否定されています。
イラストNFTが売れるようになるためには、売るための戦略が必要になってきます。
- 市場リサーチをし、どういうものが売れているのか調べる
- イラストのクオリティを上げ、オリジナリティがあるイラストを出品する
- イラストのジャンルやテーマ、イメージを揃え、統一感があるコレクションを作成する
- SNSやコミュニティでイラストや自分を宣伝し、ファンを増やす
- 販売する設定金額を低くする、同一作品を販売数を上げない
市場リサーチをし、どういうものが売れているのか調べる
市場を調べることはとても重要です。
どういうものが売れているのか?どういう価格帯の物が売れているのか?
イラストNFTの市場規模は?どれくらいの人が写真を販売しているのか?
これら市場のことを知らないと、何が売れるのか、どうすれば売れるようになるのかがわからないからです。
OpenSeaのサイトだけでも、トレンドや販売総額、作品数、どういった作品が売れているのかを調べることができます。
イラストのクオリティを上げ、オリジナリティがあるイラストを描く
イラストのクオリティは重要です。
適当に描いたイラストやありきたりなどこにでもあるようなイラストは売れません。
買う動機がないからです。
売れているイラストを調べればわかると思いますが、売れているイラストは基本的にクオリティが高く、まさにプロが描いていて保有したいと思わせるようなイラストです。
しかし、オリジナリティがあれば多少クオリティが落ちても売れることはあります。
イラストのジャンルやテーマ、イメージを揃え、統一感があるコレクションを作成する
出品する作品コレクションに統一感を持たせることも非常に重要です。
統一感がない作品コレクションは誰にも刺さらないからです。
イラストNFTに限らず、作品や作者の強みを尖らせアピールポイントである”ウリ”を持たせることは重要です。
東村アキコ氏のイラストでは、女性・着物・日本画という共通点で統一されています。
SNSやコミュニティでイラストや自分を宣伝し、ファンを増やす
自分や自分の作品のファンを増やすことは非常に重要です。
作品を出品した時点では、よほど有名なイラストレーターでなければそもそも出品自体が知られてないからです。
TwitterやInstagramなどに作品を掲載し、多くの人に自分と作品を知ってもらう必要があります。
OpenSeaに作品を出品しながら、同時にSNSやイラスト系のコミュニティで、多くの人とコミュニケーションをとることで、少しづつファンが増えていきます。
販売する設定金額を低くする、同一作品の販売数を上げない
初めから大きく稼ごうと考えるのは失敗の元なので止めた方が良いでしょう。
作品の販売時、自分で販売金額を決めることができますが当然ながら高すぎると全く売れません。
どれくらいの価格設定かは、市場を調査して他の人の販売金額を参考に、それより安い金額で設定することをおススメします。
恐らく0.01ETH(約3000円)以上では売れる見込みがありません。
さらに、同一作品を多数出品することは避けた方が良いでしょう。
完全な「一点物」と、多くの人が同じものを持ってる場合、前者の方が希少価値があるからです。
また数量限定の方が売れやすいことも理由です。
早く始めるべき理由
とりあえずOpenSeaに1枚作品を出品してみましょう。
何事も経験値を積み上げることで分かることは多くあります。
経験を積むことでコツのようなものもわかってきます。
よほど有名なイラストレーターでなければいきなり作品が売れることはありません。
口座開設手順や出品方法などの”ただの作業”は早くに慣れて、描くべき、出品すべきイラスト作品ついて多くの時間と労力を投資すべきです。
コインチェックなら最短5分で口座開設申し込みができます。
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