暗号資産(仮想通貨)取引所とは?
暗号資産(仮想通貨)取引所とは、正式には暗号資産交換業者の事を言います。
暗号資産交換業者とは、金融庁から正式な認可を受けた暗号資産(仮想通貨)を扱う業者のことです。
国内で金融庁の登録を受けた交換業者は、令和5年(2023年)時点で30社(関東財務局28社、近畿財務局2社)になります。
金融庁・財務局に登録を行った業者でしか、国内向けに暗号資産(仮想通貨)を取り扱うサービスは提供できません。
金融庁に登録を行っているのである程度の信頼性はあります。
しかしながら、それは個々の取引の安全性が高く、またリスクがないというわけではありません。
十分に暗号資産(仮想通貨)の取引所や、取引システムやコストについて知っておく必要があります。
それでは、暗号資産(仮想通貨)取引所を利用する際に、知っておいた方が良いと思うことをみていきましょう。
暗号資産(仮想通貨)取引所で知っておくべきこと
暗号資産(仮想通貨)取引所について、知っておくべきことをいくつかピックアップしてみました。
- 「販売所形式」と「取引所形式」の違い
- メイカー注文とテイカー注文について
- スプレッドについて
- 現物取引とレバレッジ取引について
- 売買以外のサービスについて
「販売所形式」と「取引所形式」の違い
暗号資産(仮想通貨)取引所での取引には、2種類の形式があります。
- 販売所形式
- 取引所形式
販売所形式と取引所形式では、取扱い通貨の数が異なることが一般的です。
例えば2023年時点でコインチェックでは、販売所形式では23種類、取引所形式では6種類の通貨が取引できます。
「販売所形式」では、取引所業者から直接ユーザーが暗号資産を売買をする形式です。
業者が提示した価格で購入または売却する必要があり、またスプレッドと呼ばれる手数料が取引コストとして発生します。
取引所業者が保有している暗号資産を、業者が提示する価格で売買するので必ず取引が成立します。
「取引所形式」では、取引所業者が仲介を行いユーザー同士で売買をする形式です。
板取引と呼ばれ、取引板に売り注文と買い注文が並び、その価格を選択して売買したり、好きな価格で注文を出して約定を待つ方法などがあります。
スプレッドが発生しない代わりに、取引所業者によっては取引手数料が発生することがあります。
また最小注文数量があったり、取引の自由度が高いですが取引方法がやや難しく慣れが必要になってきます。
メイカー注文とテイカー注文について
「メイカー(Maker)」と「テイカー(Taker)」とは、ユーザー同士で取引を行う「取引所形式」での話です。
- メイカーとは、取引板に新しく注文を出すこと。
- テイカーとは、取引板にあるメイカーの出した注文を約定させること。
メイカーとは、取引板に新しく注文を出すことです。
取引板に新しく注文を出すことですので、注文を出した段階ではまだ取引は成立しません。
自分の出したメイカー注文に対して、誰かがテイカー注文を出すことによって取引が成立し約定となります。
テイカーは、取引板にあるメイカーの出した注文を約定させることですので、テイカー注文を出した瞬間に取引は成立し約定します。
メイカーとテイカーの手数料について
メイカーとテイカーでは手数料が異なります。
メイカーは注文を出すことで、市場に流動性をもたらすので報酬として取引手数料を受けることができます。
一方で、テイカーは取引を成立させ注文させることで、市場の流動性を取り除くということで取引手数料を支払う必要があります。
以下の画像は、ビットバンクの売買手数料です。
メイカーの手数料がマイナスになっているのは、メイカー注文を出した人が、表記の手数料を受け取れることを意味しています。
このことをマイナス手数料と言います。
そして、テイカーは表記の手数料を支払う必要があります。
スプレッドについて
スプレッドは、取引所業者とユーザーが直接取引する「販売所形式」での話です。
スプレッドとは、暗号資産の買値と売値の価格差のことであり、「販売所形式」で取引を行うと、スプレッドという価格差が発生します。
上記の画像の例ですと1BTCの購入価格(Ask)は434万1411円で売却価格(Bid)は422万9808円で、スプレッド分は11万1603円で、購入価格の約2.7%です。
つまり、購入直後に売却するとスプレッド分の11万1603円の損失が出るということです。
スプレッド分は取引手数料や売買手数料ではありませんが、取引コストとして考える必要があり、「手数料が無料」の暗号資産取引所でも「販売所形式」の取引ではスプレッドが発生します。
スプレッドは各取引所の各通貨によって違い、また一時的(価格変動が大きい時や流動性が低い時)に大きく広がり変動します。
あらかじめ具体的な数値が記載されているわけではないので、注意が必要です。
価格変動が大きい時と流動性が低い(売買の取引が少ない)時に、スプレッドが広がりやすくなります。
草コインなど取引量が少ない通貨も、流動性が低い(売買の取引が少ない)ので、スプレッドが広がりやすい傾向にあります。
ビットコインよりもアルトコインの方がスプレッドが広い傾向にあります。
現物取引とレバレッジ取引について
取引手法として現物取引とレバレッジ取引があります。
- 現物取引とは、その名の通り暗号資産そのものを取引する方法。
- レバレッジ取引とは、入金したお金を証拠金(担保)として、その証拠金の数倍の額を借りて取引できる方法です。
注意が必要なのは、レバレッジ取引です。
多くの取引所では、証拠金の最大2倍の額でレバレッジ取引ができます。
例えば1万円を取引所業者に入金した場合に、現物取引では1万円分の通貨を取引するのに対して、レバレッジ取引では2万円分の通貨で取引ができます。
5万円を入金した場合は、現物取引が5万円でレバレッジ取引は10万円分、10万円入金で現物10万円でレバは20万円分まで取引ができる違いがあります。
当然、利益がでれば大きな利益を期待できますが、失敗すれば損失があっという間に膨らむ可能性もありますので、レバレッジ取引をするには十分に注意が必要です。
レバレッジ取引とNFTについて
このレバレッジ取引は、現物取引のように実際に暗号資産(仮想通貨)の受け渡しや保有をするわけではありません。
NFTアートやNFTゲームなどを目的に暗号資産(仮想通貨)を購入するには、現物の暗号資産(仮想通貨)が必要であり、レバレッジ取引で取得した通貨では、仮想通貨ウォレットに移動させることができないので注意が必要です。
NFTアートを購入するためには、現物の通貨を購入するようにしましょう。
売買以外のサービスについて
暗号資産(仮想通貨)取引所では、売買といった取引サービス以外にも様々なサービスが提供されています。
どういったサービスを提供しているかは、取引所業者によって違いますが主に下記のようなサービスを提供してることが一般的です。
- 貸暗号資産サービス
- 暗号資産の積み立てサービス
- NFTマーケットプレイス
貸暗号資産サービス
貸暗号資産サービスとは、保有する暗号資産を取引所業者に一定期間貸し付けて、その貸付期間満了時に、貸し付けていた暗号資産と同種・同量の暗号資産の返却に加えて、貸付期間に応じた料率で算出した利用料を支払うと言うサービスです。
カンタンに言うと、暗号資産を業者にレンタルするということです。
貸付期間と利率は取引所業者によって違います。
例えばコインチェックでは、次の期間と利率で貸し出せます。
- 14日間 年率1%
- 30日間 年率2%
- 90日間 年率3%
- 180日間 年率4%
- 365日間 年率5%
例えば2023年現在、0.1BTCを90日間の年率3%で貸出した場合、
[0.1BTC=約40万5954円] × [0.03] ÷ [365日] × [90日] = 0.007397BTC(約30028円)が利用料として支払われます。
貸すだけで何もしなくても利用料が得られるので、取引経験がない初心者に最適です。
コインチェックの貸暗号資産サービスについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
暗号資産の積み立てサービス
暗号資産の積み立てサービスは、毎日または毎月、あらかじめ設定した金額の暗号資産を自動的に購入して積み立てていくサービスです。
どのような方法で積み立てるかは、取引所によって違います。
例えばコインチェックでは、月一回だけ購入するか、毎日購入するかの2つのプランから選択でき、最低月1万円から積み立てできます。
分割して少しずつ買うので時間分散によりリスクを抑えた初心者向けの投資方法です。
コインチェックの暗号資産の積立投資について、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
NFTマーケットプレイス
NFTマーケットプレイスとは、NFTコンテンツを取引するプラットフォームサービスです。
どこの業者でも行っているサービスではなく、NFTマーケットプレイスを運営している業者は限られています。
NFTについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
NFTマーケットプレイスについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
おすすめの仮想通貨取引所の厳選6選
ここからはお勧めの暗号資産(仮想通貨)取引所をご紹介していきます。
国内だけでも様々な取引所があり、取扱い通貨がビットコインだけの取引所やレバレッジ取引だけの取引所などがあります。
主に日本語対応の国内向け取引所の中から6社を厳選しましたので、この中から選んでおけば問題ないと思います。
Coincheck(コインチェック)
コインチェックは、日本で最も有名な暗号資産(仮想通貨)取引所の1つです。2014年に設立され、コインチェック株式会社が運営しています。
コインチェックなら、無料で口座開設ができます。
名称 | Coincheck(コインチェック) |
公式サイト | https://coincheck.com/ja/ |
形式 | 販売所形式、取引所形式 |
取引 | 現物のみ |
通貨数 | 全23種類(販売所:23種類、取引所:6種類):2023年時点 |
NFTマーケットプレイス | Coincheck NFT(β版) |
売買以外の提供サービス | Coincheckつみたて、貸暗号資産サービス、Coincheckでんき、Coincheckガス、ステーキングサービス(β版) |
入出金手数料 | ||
銀行振込(日本円) | 無料(振込手数料は、自己負担) | |
クイック入金(入金額から差し引き) | 3万円未満 | 770円 |
3万円以上50万円未満 | 1,018円 | |
50万円以上 | 入金額×0.11%+495円 | |
コンビニ入金(入金額から差し引き) | 3万円未満 | 770円 |
3万円以上30万円以下 | 1018円 | |
日本円の出金 | 407円 | |
取引手数料(販売所形式) | 無料(スプレッド負担) | |
取引手数料(取引所形式) | メイカー:0.000%~0.050% | テイカー:0.000%~0.100% |
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コインチェックについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
DMM Bitcoin
DMM Bitcoinとは、合同会社DMM.comのグループ会社の一つとして、暗号資産事業を担う株式会社DMM Bitcoinが運営しています。
2022年時点で、顧客口座数は30万8882口座、顧客預かり資産は約444億2100万円という国内でも大手の暗号資産(仮想通貨)取引所です。
名称 | DMM Bitcoin(DMMビットコイン) |
公式サイト | https://bitcoin.dmm.com/ |
形式 | 販売所形式 |
取引 | 現物、レバレッジ |
通貨数 | 全27種類(現物取引:20種類、レバレッジ取引:25種類):2023年時点 |
NFTマーケットプレイス | なし |
売買以外の提供サービス | なし |
入出金手数料 | |
銀行振込(日本円) | 無料(振込手数料は、自己負担) |
クイック入金 | 無料 |
日本円の出金 | 無料 |
取引手数料(現物取引、レバレッジ取引) | 無料(スプレッド負担) |
レバレッジ手数料 | ポジション金額の0.04%/日 |
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DMM Bitcoinについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
GMOコイン
GMOコインとは、2016年10月に設立されたGMOコイン株式会社が運営する暗号資産(仮想通貨)取引所です。
金融サービスを展開している、GMOフィナンシャルホールディングス株式会社を親会社にもつ、GMOコインが運営しています。
2022年時点で、顧客口座数は54万口座、顧客預かり資産は約1000億円を超える国内でも大手の暗号資産(仮想通貨)取引所です。
暗号資産FXも【GMOコイン】で、無料で口座開設ができます。
名称 | GMOコイン |
公式サイト | https://coin.z.com/jp/ |
形式 | 販売所形式、取引所形式 |
取引 | 現物、レバレッジ |
通貨数 | 全27種類:2024年時点 |
NFTマーケットプレイス | Adam by GMO |
売買以外の提供サービス | 暗号資産FX、つみたて暗号資産、貸暗号資産ベーシック・プレミアム、ス テーキング |
入出金手数料 | |
銀行振込(日本円) | 無料(振込手数料は、自己負担) |
即時入金サービス | 無料 |
日本円の出金 | 無料(大口出金:400円) |
取引手数料(販売所、レバレッジ) | 無料(スプレッド負担) |
取引手数料(取引所:現物) | メイカー:-0.01%~-0.03%、テイカー:0.05%~0.09% |
レバレッジ手数料 | ポジション金額の0.04%/日 |
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GMOコインについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットフライヤーとは、2014年に設立された株式会社bitFlyerが運営する暗号資産(仮想通貨)取引所です。
2021年の預かり資産が5732億円を突破し、ビットコイン取引量が6年連続No.1といった大手の取引所になります。
ビットフライヤーは、先物取引やbitFlyerクレカ、Tポイントとの交換など、他の取引所業者にはないサービスを提供しています。
名称 | bitFlyer(ビットフライヤー) |
公式サイト | https://bitflyer.com/ja-jp/ |
形式 | 販売所形式、取引所形式 |
取引 | 現物、レバレッジ(Lightning FX)、先物(Lightning Futures) |
通貨数 | 全21種類:2023年時点 |
NFTマーケットプレイス | なし |
売買以外の提供サービス | bitFlyerかんたん積立、bitFlyerクレカ、Tポイント |
入出金手数料 | |
銀行振込(日本円) | 無料(振込手数料は、自己負担) |
クイック入金(住信SBIから) | 無料 |
クイック入金(住信SBI以外から) | 330円/件 |
日本円の出金(三井住友へ) | 3万円未満:220円、3万円以上:440円 |
日本円の出金(三井住友以外へ) | 3万円未満:550円、3万円以上:770円 |
取引手数料(販売所) | 無料(スプレッド負担) |
取引手数料(取引所:ビットコイン) | 約定数量×0.01%~0.15%(単位:BTC) |
Lightning FX/Futuresの売買手数料 | 無料 |
ビットフライヤーについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
bitbank(ビットバンク)
ビットバンクとは、2014年設立のビットバンク株式会社が運営する暗号資産(仮想通貨)取引所です。
2021年には、預かり資産2500億円を超え、国内の現物取引高シェアは25%、アルトコインにいたっては55%と、国内取引所の中でも特に取引量が多く、大手の暗号資産(仮想通貨)取引所になります。
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名称 | bitbank(ビットバンク) |
公式サイト | 【PR】bitbank(ビットバンク) |
形式 | 販売所形式、取引所形式 |
取引 | 現物 |
通貨数 | 販売所:38種類、取引所:38種類:2024年時点 |
NFTマーケットプレイス | なし |
売買以外の提供サービス | 「暗号資産を貸して増やす」 |
入出金手数料 | |
銀行振込(日本円)での入金 | 無料(振込手数料は、自己負担) |
日本円の出金 | 3万円未満:550円、3万円以上:770円 |
取引手数料(販売所) | 無料(スプレッド負担) |
取引手数料(取引所) | メイカー:-0.02%、テイカー:0.12%(一部銘柄を除く) |
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ビットバンクについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
BitTrade(ビットトレード)
ビットトレードとは、2016年設立したビットトレード株式会社が運営する暗号資産(仮想通貨)取引所です。
BitTradeなら、最短1時間、無料で口座開設申し込みができます。
取り扱い通貨が国内最多の銘柄数を誇る取引所で、金融庁登録済みの暗号資産交換業者です。
名称 | BitTrade(ビットトレード) |
公式サイト | https://www.bittrade.co.jp/ja-jp/ |
形式 | 販売所形式、取引所形式 |
取引 | 現物、レバレッジ |
通貨数 | 販売所:37種類、取引所:25種類:2024年時点 |
NFTマーケットプレイス | なし |
売買以外の提供サービス | 「暗号資産を貸して増やす」 |
日本円の入出金手数料 | |
銀行振込、ペイジー入金、コンビニ入金 | 無料(振込手数料は、自己負担) |
クイック入金 | 無料 |
日本円の出金 | 330円 |
取引手数料(販売所) | 無料(スプレッド負担) |
取引手数料(取引所) | メイカー:0.0%~0.2%、テイカー:0.0%~0.2% |
レバレッジ手数料 | ポジションごとに0.03%/日 |
ビットトレードについて、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
仮想通貨は買うべきか?
以上で最後になります。
暗号資産(仮想通貨)は、「これからさらに普及していく」という意見もあれば、「仮想通貨に将来性はないよ」という意見もあります。
未来の事を予測するのは難しいですが、いずれにせよ新しいものを食わず嫌いでいるよりも、少しかじってみることで分かることも多くあります。
何事も経験に勝てるものはなく、経験は明日の自分を創るものです。
今回の記事を参考に、ほんの少しだけ仮想通貨の世界を覗いてみるのも良いと思います。
暗号資産(仮想通貨)を保有したら、ウォレットが必要ですのでこちらの記事もご覧ください。
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